エンドユーザからの高品質ニーズへの対応 うっかりミス防止で、品質と歩留まり向上実現 ~課題編~
化学品製造業 Z社 製造部 製造1課

背景
Z社は、中堅化学品メーカーです。半導体製造用素材のメーカーとして、ここ3年急速に売り上げを伸ばしています。製品仕様の多様化に伴い製造ラインを増やしているのですが、必要な人財が集まらず、製造オペレータへの負担が増しています。また経験の浅い製造オペレータが多く、多忙により十分な教育ができていません。このような状況の中、製品ユーザである半導体メーカーA社からは今以上の厳しい品質管理を要求され、製品の最終検査結果だけではなく、製造工程中詳細の手順も厳格に遵守するよう要求されています。
課題
ある日、購入した製品によって品質にばらつきがあるとA社からの問い合わせを受け、製造部が原因の究明と対策に乗り出しました。
W氏は事実の把握として現場を1週間観察し、さらに、担当者へのヒアリングを行った結果、現場で発生したミスを下記の通り分類しました。
- 意図的でないミス:本人が意識しないまま、ついうっかりと起こしてしまう
- 他の作業と並行していたため、手順書の該当箇所を間違えた
- 作業に慣れてきたため、思い込みが発生し手順書を見ずに作業してしまった
- 手順書の記載が定性的であるため、作業員の解釈にズレが生じてしまった
- 意図的なミス:決められたルールをあえて守らなかった
- 手順書の記載よりも効率的と考え、作業の順番を変えた
- 先輩からの指示が誤っていた
これらのように、製造現場で起きている作業ミスは把握できたのですが、教育や訓練、通達といった従来の手法だけで防止できるとは思えませんでした。
課題のポイント
- 頻発するうっかりミス
- 手順書の定性的表現による作業員ごとの解釈のズレ
- 手順の意図的な無視

