では、「DXでの実現」をどうするかを考え、DXと製造現場の関係性を改めて確認します。
製造現場を維持継続していくための業務は減らない一方で、増員はまず見込めない状況です。また、この先デジタルの活用がどれだけ進んだとしても、人にしかできない作業領域が無くなることはありません。
だからこそ、ICTにより実現可能な「必ずしも人がやらなくてもいい」業務は、ICTの支援領域へと移行していくことが最適と考えます。また、単にデータを集めるだけではなく、関係者全員が「見て理解できる形」への変換も必要になります。ICTの支援領域はシステムにより見える化した作業領域、言い換えれば業務フローの棚卸によりムダを排除した「標準化」された作業ともいえるでしょう。
つまり、ICTの支援領域への移行は、人によりばらつきのあった作業を標準化することそのものであり、ICTの支援領域の拡大は作業品質向上にも貢献できると考えられます。
将来的には人の価値を最大化しつつ、将来的な省力化オペレーション基盤へも繋がっていくのではないでしょうか。
そもそも「気づき」とは何でしょうか。基本的には、状況変化に対して一番初めのステップになるのではないかと考えられます。例えば、DCSにおけるプロセスアラームのようにシステム通知が届けば業務フローに落とし込むことができますが、変化に気づかなければ、適切な対応を開始することはできません。
だからこそ、始点である「気づき」が極めて重要です。
この「気づき」をデジタルに落とし込む場合、想定される内容を具体的に考えると以下のようになり、基本的にはデータの意味付けと、取捨選択の上での実装になります。